A02786 2000/01/01
意味ネットワーク
「鳥」「飛ぶ」「すずめ」などの個々の概念をネットワーク形式で表現して意味関係を構造化したもの。例えば、「鳥」と「飛ぶ」の間は「(鳥は飛ぶという)性質がある」という関係、「鳥」と「すずめ」の間は「(すずめは鳥の)一種である」という関係で結ぶことができる。人間の持つ知識の一部をこのような形で表現することで、コンピューター上で知識を利用した処理が実現しやすくなる。フレームと呼ばれる知識表現やオブジェクト指向でも同じような表現は可能だが、意味ネットワークの方が単純で自由度が大きい。 上の例でいえば、「すずめは飛ぶ」という関係を直接表現していなくても「すずめは鳥の一種であり、鳥は飛ぶ」という関係から、すずめが飛ぶことを導き出すことができる。ペンギンなどのように、鳥であっても飛ばない種類については、例外として別途明記しておく。 意味ネットワークの代表的な応用例は、中間言語方式の機械翻訳システムである。このタイプの翻訳システムでは、ある言語からほかの言語に翻訳する過程の意味内容の中間的表現として意味ネットワークを用いている。