株式会社 SSKPC

A01792 2000/01/01
ジオメトリ変換 geometry transformation
3次元画像表示に伴う座標変換処理のこと。3次元画像の描画には大きく分けて3つのプロセスがある。3次元空間や視点、光源の設定を行うプロセス、物体を構成するポリゴンの数値データを画面表示のための数値データに変換するプロセス、変換された数値データと設定された光源や物体表面の材質などの情報をもとに、テクスチャーマッピングやほかの特殊効果を交えて実際の描画を行うプロセス。  このうちジオメトリ変換は2番目のプロセスにあたる。具体的には、まず物体を構成するポリゴンの座標データであるモデリング座標系を、視点を原点にした視点座標系に変換する。さらに投影変換を行って画面の解像度に合わせたスクリーン座標系に変換する。この一連の座標計算をジオメトリ変換と呼ぶ。ジオメトリ変換されたデータはセットアップエンジンを経て画像として描画される。  ジオメトリ変換は浮動小数点演算を多用する。十数万円以上のグラフィックスボードでは、ジオメトリ変換を専用に実行するハードウエアを搭載しているものが多いが、一般的なパソコンで使われているグラフィックスチップには搭載されておらず、ジオメトリ変換の演算はCPUで実行される。ただ、最近のCPUには、Pentium IIIのストリーミングSIMD拡張命令(SSE)、K6-2、K6-III、WinChip2の3DNow!など複数の浮動小数点演算を同時に実行できる命令が搭載されている。これらを使うとジオメトリ変換を大幅に高速化できる。