株式会社 SSKPC

A00984 2000/01/01
PHS personal handy phone system
デジタル方式の移動体通信サービスの一方式。1.9GHz帯の周波数を使用する。家庭用コードレス電話機の子機を外でも使えるようにするという発想で、電波システム開発センター(当時、現在は電波産業会)が規格を標準化し、95年7月に首都圏、北海道を中心にサービスが始まった。99年6月現在、NTTドコモグループ、第二電電系のDDIポケットグループ、東京通信ネットワーク(TTNet)、アステルグループが、全国でサービスを提供している。  携帯電話との違いは、基地局のカバー範囲(セル)を半径100~500m程度と小規模にとどめていること。このため、端末、基地局とも送信出力(500mW以下)を低く抑えることが可能で、端末の小型・軽量化、省電力化も容易になる。基地局も既存のISDN回線を介して公衆網に接続されているため、携帯電話用より基地局設置費用も格段に安く、利用料金も携帯電話より安い。  97年4月からはPIAFS方式による32kbpsの高速データ通信サービスを開始、99年4月にはNTTドコモが全国の主要都市で64kbpsのデータ通信サービスを始めた。付加サービスとして、各社とも文字メッセージ通信サービスを導入している。インターネットメールを利用できるサービスも一般的になっている。ただし、セルをまたいで移動する時、基地局間での通話情報の引き渡し(ハンドオーバー)に時間がかかるため、自動車や電車などでの高速移動中は使えない。駅、繁華街など人口密度の高い地域を中心に基地局を設置しているため、利用可能地域が携帯電話より狭いという欠点も抱えている。携帯電話との競争で苦戦し、最近では加入者数が低迷している。99年5月末時点の加入台数は578万8000台。